~語るべきことなど何もないのに~
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東のエデン
どのジャンルの表現にも言えることだが、一般人に観てもらうためには、マニアに叩かれることを覚悟の上で表現の濃度を薄める勇気と同時に、より多くの人(価値観の違う人)に理解してもらえるよう表現の強度を高める必要がある。そういう意味でこの東のエデンは、攻殻機動隊のような硬派さでヲタクをうならせるのとは逆方向に向かう挑戦的な作品だったし、劇場版の客層を見る限り、それは成功だったと思う(まあ、ヲタクとか一般人とかで線引きをする発想自体すでに前時代的なのかもしれないけど)。
内容も、今の若者が感じているであろう閉塞感を、携帯、ニート、ネット、ミサイルなど時代のキーワードに乗せて論じる一方、トマホーク60発が日本に降ってきたりとエンターテイメント性も十分。
劇場版に関してはまだ次回があるので何とも言えないが、わかりやすくしようとしすぎて説明的なセリフが多いのが私にはストレスだった。
カールじいさんと空飛ぶ家
海外アニメなんてウォレスとグルミット以外認めねーよと思ってた私ですが、素直にこれは良かった。宣伝広告に寄せられた宮﨑駿のコメントが確か、「じつは最初の追憶のシーンだけで満足してしまいました」と彼特有のひねくれた言い回しだったので非常に気になっていた。そして観てみるに、見事にその追憶のシーンで泣けた。そこだけならTHE・映画。
この作品の持つストレートさは、初期の宮﨑作品に通じるものがあるように思う。例えば子供をおっかけるためにカールじいさんが家の荷物を捨てるという、亡き妻への未練を断ち切り新しい冒険に出る重要なシーン。だけど思い出の椅子は投げ捨てず、きちんと並べておくみたいな、ちょっとした暖かさ。ああいう暖かさが世界に蔓延してくれたらいいのに、と恥ずかしげもなく思ったりして。THE・アニメといってよいでしょう。お子様連れオススメ。ちなみに、3D版で観る必要性はそんなに高くないかなと思いましたが話のネタにはなるかもです。
CANAAN
スナイパーがスコープを覗きながら不気味にニヤっとするベタすぎるシチュエーション。それをやってしまうのか、やらずに凄みを出せるかどうかで、その作品が観るに値するかどうかがほぼ判定できる気がする。この作品はやってしまっていた。そのわりには観られたのは、主人公たち(カナンとマリア)に比べて脇役たちが無駄に魅力的だったことによる(年中生理でムカついてそうな女とか、モデルガンで撃たれて悶えるM男とか最高)。しかし、これは2クールじっくりやるべきだったのではないだろうか。
クロスゲーム
あだち充原作の野球漫画。原作は読んでいなくても、原作に忠実に絵コンテが描かれた作品であることが窺える。それはつまり、あだち充作品のクオリティが非常に高いことの証拠でもある。ただ、漫画から感じられる(であろう)テンポ、スピード感のほうが圧倒的に上と思われるので、アニメ化の意義はあまり感じられない。ついでにいうと青葉のいとこクンの存在意義もほとんど感じられない。
涼宮ハルヒの憂鬱(第2期)
第1期が神作品になったのは、一番面白いといわれる「消失編」を除いた中で面白い部分を優先的に抽出したことと、山本寛の暴力的な演出が大きかった。そうだとすると、第2期が原作の残りの部分を山本寛抜きで、かつ、第1期による期待のハードルが上がりまくった中で苦戦を強いられたのはやむを得なかったと思う。クオリティ自体はさすが京都アニメーション。しかしネックはやはりエンドレスエイト8連発。
同じようなエピソードを8週連続でやるという無謀な試みは、ハルヒという存在の本質的な恐ろしさを表現する上で確かに効果的だった(私はその勇気を買いたい)が、効果的すぎたがゆえに、視聴者の理解はあまり得られていなかった。まあでも。京アニのような職人集団にとって、このテの挑戦と失敗は許されるべきだと思うし、アニヲタを怒らせるくらいの気概がないと表現として狭くなってしまうと思うのですよね。劇場版の「消失編」に大いに期待。
真マジンガー 衝撃!Z編
タイトルから知れる通り、アニメ好きでマニアックなオジサンしか喜ばない作品。マニアックではないオジサンの私としては、久しぶりに会った酸素欠乏症の父から、最新型だ持ってけ!と時代遅れの機械を渡されたアムロの気分。監督が確信犯なのか頭がおかしいのかがわからない。両方かもしれない。
ストーリーのハチャメチャぶり、スピード感だけでなくセンスの古さも群を抜いていて、正直全然ついていけない。最後の意表を突くバッドエンドは、続編がなければとても許されるようなものではない。作り手は、賛否両論で終わらせておいて盛り上げるつもりだったのだろうか。しかし、よほどのマニア以外はついていけず、ついていけたマニアは大抵肯定するに決まっているのだから、その目論見は(あったとしても)完全に不発。まるで、裏の裏をかいてストレートを投げさせてホームランを打たれる阿部慎之介のよう。ていうか大暴投。圧倒的な個性と世界観を持つ永井豪作品にとってこの評価は褒め言葉かもしれないがそれだけに、もはや時代の空気とは決して交わらないところにある。良く言えば孤高。
うみねこのなく頃に
これを無理矢理推理モノに位置づけるとすれば、相当に型破りな推理モノといえる。なんせ、目の前で魔女が、「私が殺った」と言って人を実際に殺しているのに、主人公が「全然認めねえ」って魔女の存在を否定するわけだから。そもそもストーリーの枠をはみ出した魔女の存在を出すこと自体、推理モノとしては自爆行為であり、結局そこを楽しめるかどうかにかかっている。少なくとも、この作品を理解するには「論理」という概念に対して非常に柔軟であることが必要である。ていうか、「論理」より「情熱」を重視する人でないと、そもそも竜騎士の作品は無理かもしれない。だから私はこの挑戦的な作品を、挑戦的であるという1点のみにおいて支持するのだけど、ひぐらし~のあのインパクトを超えたと評価するのは難しい。
ちなみに最後は、戦人が、魔女でない人間Xが殺人を行った可能性を証明しただけであって、魔女が殺人を行っていないこと及び魔女ないし魔法がこの世に存在しないことを証明したことにはなっていない気がするのですが・・・ま、こんな感じです。
空の境界
劇場版7部作を数行で語ること自体無理がありすぎるのだけど、とりあえず第5章「矛盾螺旋」は燃えた。それまでのエピソードは第5章を理解するためだけに存在し、第6章はオマケ、第7章は形式としてオチをつけたといったところ。といいつつ、第1章の絵のキ○ガイレベルの細かさは素人目に見てもやばい。
本作品全編を通じたテーマは、「なぜ人は人を殺すのか」(人に自分を含めたのが第1章)。
その答えが第7章において「殺人」と「殺戮」の違いとして語られるのだが、個人的にはわかりやすくなるほどと思えるものだった(恥ずかしいので書きませんが)。ただ、殺人の意味については、奇しくもうみねこ~の中でも同じように語られており、残酷な殺人の描写をする両作品の作者が共通の認識を持っていた、というのはなかなか興味深かった。意外と考えて首を飛ばしたり体をねじ切ったりしているんだなーと。
ちなみに、以前アニメで好きな女キャラを問われてマジレスもネタレスも浮かばず困ったことがありましたが、ここに登場する蒼崎橙子様はかなりツボでございます。知性、母性、ドSの3拍子。キモくてすいません。今から死んできます。じゃまた。┌(´∀`)ノシ
ホワイトアルバム(第2期)
第1期を我慢して観た甲斐があった。ギャルゲー原作(?)のセオリー通り(?)、主人公・冬弥はこれでもかこれでもかとモテまくる。この冬弥の空っぽさというか浅さというかただれっぷりをみてると、確かにこういう人いたなあと。モテる奴はどこ行ってもモテるのだから、ある意味リアルなのかもしれない(もっとも、最後にそれなりの説明がなされるのだけど。)。
しかし、こんなアイドル2人と三角関係、さらに増えるみたいな今時恥ずかしい話を私が観られたのは、劇中の大物プロデューサー緒方英二を通して語られる音楽論、ポップス論が的確すぎたことによる。アイドルが出てくるのにアイドル論は一切語らず、話の本筋と離れたところで本質的なことを語ってしまう過剰さは嫌いじゃない。ポップスの魔法を信じているダメ人間として、親近感を覚えざるを得なかった。
それでいて、心理描写、人物描写のために説明的なセリフを使わないところも良い。例えば、ある事件により打ちひしがれた英二のもとに駆けつけた由綺(冬弥の恋人)が同情のキスをするも、舌を入れられて思わず突き飛ばしてしまうシーン。英二カワイソスで笑えるのだけど、英二と由綺という人物の本質的な違いが端的に出ていてなかなか良かった。演出が丁寧であれば、説明的なセリフはほとんど不要であるという良いお手本だと思う。
Darker Than Black-流星の双子-
続編らしいのだが、前作を知らない私にはワケわからないまま話が終わった。最初のほうの戦闘シーンはバキバキな音楽とあいまって結構シビれたものの、それ以降はわりとしょーもない。なのに最後まで観てしまったのは、主人公スオウの若さ特有の不安定な感じと、中年入り口付近のBK201の絶望一歩手前な佇まいの双方に自分を重ねてしまったからかもしれない。作品は子供向けでも、作っている人がロックを通過してきた大人であることはわかる。だが、そう感じた自分がなんか恥ずかしい。
プラネテス(再)
最初は地味な佳作程度に思っていたが、中盤から終盤にかけてグイグイきた。自分の現状に何かしらの不満、疑問を感じている人にとっては、間違いなく10年に1度の作品。名作認定。
天体戦士サンレッド
この作品が未だに実写化されないことに呆れます。不景気じゃB級モノにはカネを出せないってことでしょうか。恐ろしく低予算で大ヒット飛ばせる気がしてならないのですが・・・。
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絶対誰も気づかないと思いますがdeathは不吉なので改名。
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