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~語るべきことなど何もないのに~
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アニメの演出の細かさについて、私の気づく範囲でお話してみます。


↓は「ガンスリンガーガール」第1話冒頭の有名なシーン。

すぐに消されると思いますが、前々から語ってみたかったもので。













これは、イタリア政府が追っている重要参考人をテロリストが匿っている、という情報を得て、政府内の秘密組織がテロリストのアジトに捜査に行った場面。



ここで記者を装うのがジョゼ、マシンガンをぶっ放すのがヘンリエッタ。


ヘンリエッタは過去に家族を目の前で殺された上でレイプされ、瀕死の重傷を負わせられたかわいそうな少女でした。

それが、福祉公社によって義体化されて五体満足になったと思いきや、それにとどまらず戦闘能力まで付与され、日々訓練されている。

義体はみな担当官の命令に絶対従う、何かあれば担当官の身代わりに死ぬように、薬でもって脳に条件付けが施されています。

政府が少女の命を救うという美名の下に、その恋心を利用して汚れた仕事をさせる。しかも、救うといってもあと何年も生きられず使い捨てにされるという、とにかく反社会的な設定。



実際問題、子供を暗殺者として利用している国はあるらしい、とは何かで読んだことがありますが。




で、本筋に戻りますと、話の冒頭でその設定の一部を説明する必要があります。





vlcsnap-2012-02-26-14h36m44s217.png



襟首をつかまれたジョゼを見るエッタ






ここで、「担当官を守らねば」スイッチが入ります。




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ウー











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ワショーイ!










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ブルルン!!







大の大人の腕がねじれてしまうくらいの腕力。



もう1つ。突入後。







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ヘイヤ!










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パシ










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パパパン









大男が踏ん張って倒そうとしたものを、いとも簡単に受け止めてます。

ここで引き合いに出すのが適当ではないかもしれませんが、ちょっと前に両足義足の人が健常者と一緒に陸上競技(400mだったか?)をやって話題になってましたね。
あと最近では高齢者の歩行なり作業を補助するためのパワードスーツがあったりして。


義体によって通常人以上の戦闘能力を実現することは、現実世界のテクノロジーの進化に照らせば、さほど現実離れした設定でもないように思います。べつに空飛ぶわけではないですし。




この作品が、昨今まかり通っている「要素組み合わせ」系アニメとはわけが違うことの説明はクドくなってしまうのでまたの機会に譲るとして。







それにしても、このシーンのテンポがすごくいい。









バイオリンケース(AMATIって書いてある)で殴る


      ↓


ケースからサブマシンガンが飛び出る


      ↓


「どうしたルイ!」


      ↓


パパパン!







とかね。


ライフル銃をデカイ楽器ケースに入れるのは映画の世界では常識ですが、
バイオリンの似合う少女がサブマシンガンを持っているというのがなかなか素敵(?)。
P-90というサブマシンガンの形自体、なんとなくバイオリンぽいですし。




そしてこのシーンでは、P-90ならではの戦い方がなされています。




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まず最初に、ヘンリエッタは右腕でP-90を構えて1人殺し、次に部屋の中で一番偉そうなオジサンを狙って間一髪逃げられますが、その際、右腕に軽く被弾しています。



そこで急遽、しゃがんで相手のエイムを外しつつ、左手に持ち替えてテロリスト2人を吹き飛ばしています。



マシンガンというのは普通、右利き用に薬莢が右に排出されるものですが、このP-90は下に排出する。



つまり、右利きでも左利きでも撃てる、というのが売り。ヘンリエッタはP-90の特質を理解しているわけです。




ただ、普段から右手で引き金を引いている人が、左に持ち替えたからといって、エイムも左目にするわけではないでしょう。
そこでヘンリエッタは、左手で引き金を引きつつ、エイムは右目でやっている。上の画像で、P-90を右肩に当てているのはそういうことです。




とっさの場面で、柔軟にすべきところは柔軟にし(手の持ち替え)、守るべきところは守る(エイムは右目)。この状況判断の的確さにヘンリエッタの戦闘能力の高さをうかがうことができます。



動画のみではわかりませんが、ジョゼがしばらくボーっと突っ立ってるのも、ヘンリエッタが全部殺ってしまうという信頼(というか諦めている?)の現れなのです。





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ちなみに、薬莢がカッコよく飛び散る様子を描かせたら、マッドハウス(本作の制作会社)の右に出る会社はないでしょう。


ここでヘンリエッタの太腿と薬莢を交差させるカットは、いろんな意味で反社会的かつ悲劇的であり、本作の本質を最も現したカットであるように思います。










まああとは、部屋に突入する前に威嚇射撃をしてマガジンチェンジをしたりとか、


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こうやってバースト射撃をして相手の動きを封じたりするのも、銃を使った近接戦闘のセオリーであるように思います。



私もBF3でここまでマメなことはしませんが、被弾=死ぬ可能性があるならこうなるでしょうね。


そして、ヘンリエッタがアタッカーで、窓の外から中距離でスナイパーが狙う、という役割分担も然り。





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人を殺しておいて何の感情もない、死んだ魚のような眼がたまりません。

ドラマでもアニメでも、スナイパーがスコープを覗きながら「ニヤッ」っとするベッタベタな演技はそろそろやめて欲しいものです。





ちなみに、ヘンリエッタが部屋に突入する前に、部屋の中の若い奴を2人吹き飛ばしてますが、




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ここで、ブラインドをわさ~って壊しながら死んでいきますね。







その後、スナイパーは、この隙間から親玉の頭をヘッドショットしています。




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細かいですねえ。もっと言うと、最後のカット。





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どこかのオヤジが「工事の音がうるせえぞバカヤロウ」的な絵で終わってますが、この工事は政府によるフェイクです。
マシンガンなどを使った戦闘行為になる可能性を見越して、必要のない工事をして無駄に音をたてているのです。これは原作読むともっとわかりやすいのですが。





あと細かいといえば、冒頭のシーン。




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急に呼び鈴が鳴って、びっくりしてます。まあ、目の前の男がプロであることに気づかずに威嚇しようとする雑魚ですから。




そうでなくても、静かなときや緊張した場面で電話とか呼び鈴が鳴れば、びっくりするのが普通。

そういう普通のことを無視してる作品が最近多い気がする。たぶん、話の本筋から外れる無意味な情報だからなんだと思います。


私も、そのびっくりが大事とは言いませんが、それすら守れないようでは、大事な場面の作りこみも甘い作品であろうという推定が働いてしまいますね。



まあその辺はまた別の機会にお話しします。

 












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絶対誰も気づかないと思いますがdeathは不吉なので改名。
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