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~語るべきことなど何もないのに~
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先日,「攻殻機動隊ARISE」を劇場で観てきた。







押井守の映画版攻殻と,その弟子神山健治OVA版攻殻という2つの名作を受け,一体どんな攻殻が出てくるのかー。










その第3段階の指揮官に抜擢されたのが,押井塾出身でもなく監督経験もない黄瀬和哉という人物。
ということで,個人的に期待3割不安7割だったのもわりと優しい目で見ていた方ではないだろうか。










声優陣もすべて総入れ替えで,素子役が坂本真綾。
しかも音楽はコーネリアスこと小山田圭吾。



2人とも攻殻とか全然知らなそう・・・なのに絶対いい仕事しそう!これだけで期待10割!







・・・なんて思っていたら,坂本は攻殻の大ファンだったそうな。












それはさておき実際,いい仕事をしていた。

冒頭のOP曲。コーネリアスらしくもあり,攻殻らしくもある。いつまでも浸っていたい音だった。




ここにコーネリアスを抜擢しようと考えた人も偉いが,ここまで完璧に仕事と自分らしさのバランスを取れるミュージシャンもなかなかいないんじゃないかなあああ。







肝心の本編も,押井版や神山版を踏まえつつも振り回されることのない,攻殻らしい攻殻。60分なのに倍の濃度で話が進む感じ。重厚なのにクドくない。





とりあえずブルーレイは買う。決定。











それにしても。






そもそも何故また攻殻を作るのだろう?


押井版と神山版があればもう十分じゃないか?


確立された攻殻ブランドを食い潰して金儲けか?





という疑念がないではなかった。




というのも,私お得意の「時代の空気吸ってる」理論によれば,攻殻という作品で今の時代にコミットする必然性が感じられない。それはARISEの第1話を観た今でも変わらない。もっともそれは,第2話以降に期待するべきことなのだろう。














昨年公開された「009RE:CYBORG」(神山監督)では,「終わらせなければ,始まらない。」と言って,世界各地でテロを起こし,ドバイに核を落とした。







同時期に公開されたエヴァQもテレビ版の筋から大きく離れて新しい境地に突入しているし,さらに言えば,同時上映「巨神兵,東京に現る」ではモロに,東京どころか世界のすべてを焼き尽くした。












優れた表現者はみな例外なく,愚民共を罰したい欲求を持て余しているものだけど,世の中を良い方向に変えるのに必要なのは,そういうテロ礼賛とか呑気な終末思想ではない。

ただ単に,先に進むためには目の前のことを終わらせなければならないという,シンプルな覚悟なのだと思う。





ここ数年似たり寄ったりな作品ばかり陳列されてきたアニメ業界に対して多少うんざりするところもあったが,そのフラストレーションは受け取る側の我々よりも,作る側の彼らの方が高かったはず。







自分の意思で終わらせれば,後は勝手に始まる。






だから,009とエヴァ破と巨神兵で,いったん終わらせた。




そして攻殻機動隊は,その後の「始まり」を飾るのにふさわしいコンテンツだった。

だから新しいスタッフによってARISEが作られた。

それ以上でも以下でもない,と。









書いていてアニメ業界のことなのか,世の中全体のことなのか,自分のことなのかわからなくなるけど,それは私の文章力がないだけで,とどのつまりはこれら全体を総合したものが「時代の空気」ってことなんですよね。












そういや,制作されないと言われていたスターウォーズのエピソード7から9も制作が決定したとか。ジョージ・ルーカスも「やっぱ終わらせなければ~」って思ったんじゃないですかね?(笑)。


てことでね,終わらせることそれ自体が大事だなって思うんです。

さらに内容が良ければ儲けもんってことで。












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